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2008年05月26日
■「果報は寝ていても来ない?」

この2週間の為替のいや、金融市場全体の動きに思うことは「迷い」と言えるかもしれません。
サブプライム問題に端を発した、信用不安は各国当局の動きもあり、収束に向っていることは間違いないだろう。しかしV字回復のシナリオを描いて動き出すにも決め手にかける。

これまでドルから流れてポジションが大きく傾いた通貨の中から徐々に資金が逆流を始めるとは予想できても、全てが一気に戻る感触は見えません。しかし、それらの中から弱い順番に動き始めていることもまた確かなようです。

先週なら、NZDやアジア通貨でドルが大きく買い戻されていきました。いくらドルを買い戻すとはいえ、これからのアメリカの実体経済を考えても全ての資金を戻すことが効率的とは思えません。徐々にポジションをならすにとどめておこうと言うのが参加者達の動きのように思います。

こんな環境下では大相場で大きく稼ぐことを考えてもレンジの端を掴まされるハメになり易いのでコツコツ稼ぐように頭を切り替えねばなりません。

的確な例とならない気もしますが、先々週の終わりあたりに、ある金融機関で通貨オプションを使った面白いスキームが出ていたようです。詳細は書けませんが、キャッシュを持つにはややリスキーだがその相場の流れには乗りたい。レバレッジを効かせてしまってはリスクが増大するだけなのであくまでプレーンで。とはいえオプション料が高ければコスト高となる。そんな条件を考慮したスキームでした。

通常ではあまり興味を引かないように思えるスキームでしたが、海外のヘッジファンドなどでは良く利用されるものなのだそうです。簡単に言ってしまうとローリスクローリターンだが少しでも稼げる機会を作るというニーズをうけた商品だったのではと思います。

なるほど黙って眺めているだけではベンチマーク以上のリターンは稼げない。少しでもベンチマーク以上のリターンを稼ごうとする。こういう状態でもそうした貪欲さを持つことが結果として大きなリターンを生む力となっていくのだなと感心させられました。

キャッシュポジションだけで勝負する私達では難しい話ですが、そうした精神だけでも参考になるかもしれません。



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