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2008年05月05日
■「節目」

東京市場は、29日からのGWを迎えて、事業法人を中心に長期の休暇入りとなることもあって、動意に乏しい展開が予想されます。が、NYではイベント目白押しです。

29、30とFOMCが開かれます。市場は25bpsの利下げというのが大方の予想です。
サブプライム問題に端を発した信用不安の払拭の総仕上げとして、先週発表された戻し税の前倒しとセットで決着を見たいところです。

先週も触れていますが、市場は既にこの信用不安からくるドル安懸念は収束したとの感触を持ち始めています。今回の利下げを持ってこの問題の終息宣言を打ち出すのか、あるいは現在のセンチメントを受け、敢えてその後のインフレ懸念加速材料となりかねない再利下げは一旦見送り既に次の問題であるインフレに軸足を移している点をアピールするのか。筆者は後者の選択肢もありではないかと密かに考えております。

今週は、FOMC終了後にGDP速報値、コンファレンスボード、雇用統計と注目の指標が発表されます。FOMCとしては少々悩ましいタイミングで金利の決定を下さねばならないと言うことになります。おそらく現行水準からさらに50bpsの引き下げは次の難問との対峙に際してより厳しい環境に身をおくことになるでしょうから、糊代は25bpsしか残されていないという考えに立てばいくらフォワードルッキングといいながらも敢えて最後のカードまで切ってくるだろうかという疑問も残るのです。

不安の芽に完全な止めを刺すことは必要です。おそらく下げようが据え置こうが、声明には完全収束宣言を高らかに謳うことでしょう。そして次に待ち構えるインフレ懸念に対してどのような声明が盛り込まれるか。ループしてしまいますが、この次の問題への判断をどの程度重く捉えるかで逆に金利水準が決まるかもしれません。

既に一部の金融市場では動きが出ておりますが、おそらく今週を境に市場全体が完全に視点を切り替え新しい動きを見せることになりそうです。



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