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2008年04月28日
■「次の危機に備えながら今の危機を絶て」
G7明けの先週、ドル相場はG7声明に一定の歯止めをかけられながらも公表されるアメリカ大手金融機関の業績報告を背景にまずは下値を試しに動くのではなかろうかと思われていました。
実際発表された数字は前回に比して改善を見たわけでもなく、大方の予想通り悪化していました。市場予想ほどに悪化していなかった点を除けば。
市場は予想値を織り込んでいた分、ドルは買戻しが優勢となり、また押し目を拾おうと待っていた参加者は拾えないままにドルの上昇を見ることとなり、結局これまで強いレジスタンスとなっていた水準を上抜けてしまいました。
金曜に、ドル円が104円台半ばまで押し上げられましたが、それだけシティグループの数字に注目していたと言うことも含まれるでしょう。
これまで、市場はどちらかと言えばドルに対してネガティブなトピックスに敏感に反応して、ドル安を牽引してきましたが、少し前からやや流れが変り、ネガティブなものへの反応が鈍っていました。
このアメリカ大手金融機関らの業績に関しても、確かに思ったほど悪くなかったわけですが、これまでのセンチメントであればこのような反応にはならなかったと思われます。
実体経済に本格的な悪影響が顕在化するのはこれからですから、先週の反応に懐疑的であてもおかしくはないのですが、市場はこれまでその事態を織り込んで推移していたことを考えると、これまでの信用不安はある程度最悪期は脱したものと考えても良いのかもしれません。
さりとて各国の金融当局が一息つけるかといえばそうではありません。この信用不安が再燃しないための監視をしながら、すでに問題となりだしているインフレとのサジ加減を考えねばならなくなりそうです。舵取りを誤ればスタグフレーションの危機が待っています。
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