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2008年04月07日
■「フォワードルッキング」

3月、日本では会計年度末にあたることもあり様々な意味で忙しない一ヶ月であります。
そんな3月は国会でも新年度予算審議をはじめ、漫画家が締め切りに追われるように法案を処理しているようです。まあ言ってみれば年中行事みたいなもののように慣れてしまっているのかもしれません。

今話題の暫定税率もいつもなら締め切り間際の駆け込みで通過させられる案件でしたでしょうし、日銀総裁人事だって特段時間をかけることもなく終わっていたことでしょう。
しかし、今年は違いました。野党民主党が参議院のイニシアチブを握る「ねじれ国会」。「時間もありませんし、とりあえず通しちゃいましょう」で済まないことは昨年の参議院選挙後から予見できたはずでした。

更に間の悪い事に、不祥事続きの防衛庁で海上自衛隊のイージス艦が漁船と衝突。その後の報告系統の不備が露見して蜂の巣をつついたような大騒ぎ。政府与党は全てが後手後手となり、日銀総裁は空席。暫定税率は期限切れ。

これ、サラリーマンに例えたらバツバツです。
言い訳なんて通用しません。期限は最初から分かっていることです。突発的な出来事も想定した上で期限前に処理することが義務付けられているのです。ここまで書きながらしょっちゅう締め切りに追われる自分が言えた義理かとも思ったりするのですが・・・・。

しかし、ここは敢えて自分を棚に上げて書いちゃいます。あまりに無策でした。一国の中銀トップが空席なんて前代未聞であり先進国として恥ずかしい。個人的に武藤副総裁の昇格人事には賛成でしたし、人事案自体が不出来だったとは思いません。問題なのははじめから反対する相手との交渉を怠っていた点です。(総裁人事を政局の具にした点において野党の態度だって不快ではありますが)

はじめから調整の時間を与えないような態度を見せれば交渉事なんてものはまとまるはずもありません。

金融政策においても常にフォワードルッキングに手を打つことが大事と言われますが、金融政策にとどまらず、万事前倒しで事を進める事が肝要であります。
自戒の念をこめて。



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