TOP
コラムTOP
最新コラム
バックナンバー
2008年03月31日
■「調整です」

先週は月曜の朝から蜂の巣を突っついたような騒ぎとなり、為替市場もボラタイルな動きを続けました。

ご存知のようにアメリカ大手証券の一角であるベア・スターンズがJPモルガンに買収されました。驚くべきはその買収額です。一株当り2ドル。前週の引け値が30ドル台であったことからも衝撃的です。今週に入り買収額を一株当り2ドルから10ドルに引き上げることが報道されていますが、それにしても直近時価の3分の1以下です。

様々な観測がなされていましたが、前回(先週お休みしましたので、先々週ということになりますが)触れました、負の連鎖のあおりをまともに食らってしまったということなのでしょう。
先々週のクレジット市場はまさに不安が支配していました。ヘッジファンドはレバレッジを利用して集めた資金の数十倍の金額で運用をしていますから、市場全体が叩き売り状態になれば瞬時にしてその含み損が膨れ上がります。
こうした相場環境下においては時価評価方式であることが事態を悪化させてしまう。そんな典型的な事例となってしまった気がします。

そしてFRBは公定歩合を緊急引き下げ。貸し出期間を90日に拡大するとともに貸し出しの対象をプライマリーディーラーまで拡大しました。定例のFOMCでもFF金利を75bps引き下げと矢継ぎ早に手を打ちました。

既に各方面で解説のある通り、これによってプライマリーディーラーの流動性危機が緩和されています。そしてFOMCにおける追加利下げはFRBの姿勢を明確に示すことで市場の不安を鎮静化する効果がありました。実際先週のリスクスプレッドも縮小しています。

この状況で第二、第三のベア・スターンズが出ることはまず無いと思っています。
但し、各市場での反転はあくまでも調整であります。ドル円が95円77銭で底を打ったとするのはさすがに早計でしょう。



Copyright (C) 2004 fx-newsletter All Rights Reserved