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2008年02月04日
■「真実は小説よりも奇なり」

先週は話題てんこ盛りの一週間でした。月、火と続いた世界的株価の暴落。「金曜日に前倒しでなされたブッシュ大統領の景気支援策の発表は一体何だったのか?」と思わせるほどの反応に、サブプライム問題の根深さを想起し不安心理に包まれた相場の恐ろしさを味わったことでしょう。

堪らずにFRBは75bpsの緊急利下げを実施。しかし不安心理に萎縮した市場は、「遅すぎる対応」と嘆くばかり。そんな中、フランス第二位の銀行ソシエテジェネラルから一人のトレーダーの不祥事が原因で巨額の損失が発生したとの発表が出たのです。その額なんと、49億ユーロ(約7千600億円)!!あのジャック・リーソンがシンガポールで作った損失の5倍をはるかに上回る額です。

最初は「泣きっ面に蜂とはこのことか」と思いきや、ソシエテジェネラルが不正を発見し、ポジション解消に動いた時期が正に週初であること、フランス当局への報告も事前になされながら緊急利下げを行ったFRBへの事前報告はされていなかったらしいことが判りだしました。

市場にあった不安心理の元凶が市場の思惑とは全く別の原因にあったことで妙な安堵感が醸成されたのも束の間、次の不安と不信が市場を既に包み込んでいます。

「FRBは無駄なカードを切ってしまったということか?」「今週の定例理事会での追加利下げはどうなる?」「そもそも各国の連携は一体どうなっているのか?」

マスコミのFEBへの風当たりはかなり強くなっているようです。しかし、真の原因が何であれ、先週の市場は明らかに不安心理に覆われてしまっていたのです。FRBが真実を知っていたとしてもあそこで動かねば市場はもっと酷い混乱に見舞われていたでしょう。

マスコミの批判は的外れであり、悪戯に市場の不安心理を増幅させているものと思います。

それにしても、まるで漫才のオチでも聞いているかのような巨額損失です。余りに巨額でそういって笑うしかない位の。報道によれば彼のトレーダーはコンピューターのエキスパートだとか。なまじそんな才能があったばかりにこんな事件を起こしてしまうとは皮肉なものです。

人間の弱さをまざまざと見せつけられたノンフィクションストーリーでした。



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