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2008年01月28日
■「この不安を解消するには」

先週一週間の間で、FEDの緊急利下げの噂が筆者の知る限りで3度流れました。各通貨に対して売られ続けてきたドルはポジションの傾きも相まって都度反発を見せていました。

年初より米景況感の悪化を示すような指標、米金融機関の損失拡大報道、これらを受けての市場の低迷。正に負の連鎖が続いています。

サブプライム問題発生当初はその小口化された債券が仇となり、分散して投資している他市場への波及が心理的負荷となりました。各国当局の素早い対応に一旦は沈静化をみたものの、ここまでの対応はアメリカの景気の底堅さを背景とした対処療法でありました。

サブプライム自体が実体経済に影響を及ぼすのは今年半ば過ぎと言われていましたのでその間に政治的対策を打って収束を図れるものとする見方があったなか、予想外に早いアメリカの景況感のかげりを見せ付けられてしまった格好です。

こうなると心理的不安は加速してしまい、セオリー通りの手を打ってもなかなか収まってくれません。サプライズを期待する市場の声なき叫びが緊急利下げの噂となったのかもしれません。

ブッシュ政権も当初、一般教書演説で発表予定であった景気対策を前倒しして先週金曜日にアナウンスするなどそれなりの対応をとりましたが、あまりに市場の期待が過剰であったが故に発表と同時にドルは下落に転じ、株式市場も下落して引ける始末でした。

当初よりこの景気対策の発表は枠組みだけであり、具体策は議会を通してからでないと見えてこないことはわかっていたわけで、政策の実効性を疑問視しての下げと言うのはいかにも後付けといわざるを得ません。

しかし、そう言わせてしまうほどに市場はナーバスとなっているともいえます。週明けのアジアでもその不安が新興国市場の下落を誘発しています。バブルの日本同様、実効性の見える政策を一日も早く打ち出さねば、金融政策だけでは乗り切れないところにまできてしまっています。

まだ決め打ちは出来ない段階と思います。



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