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2008年01月21日
■「状況は厳しくなっていますが・・・・」

雇用統計の数字を確認する格好の材料となってしまった形のバーナンキFRB議長の発言。

状況次第では追加のしかもかなり大胆な行動にでる用意があること(大幅な利下げ)を示唆しました。

この前日にはゴールドマンサックスが「米経済のリセッション入り」を予測するレポートを発表しました。これに追随するように各金融機関も今月のFOMCでの50bpsの利下げを含む大幅な利下げ予想を打ち出してきています。

最早今月のFOMCでの追加利下げは避けて通れない状況に追い込まれています。大幅な利下げ観測を受けて株式市場だけはなんとか堅調に推移しています。ここで利下げ幅が小さかったり据え置いたりしたとしたら株式市場は失望売りを浴び、金融政策の対応の遅れを材料にさらなるドル離れの事態を引き起こす恐れが強いでしょう。

折角ここまで早め早めに策を講じてきたことがいっぺんに吹き飛んでしまうリスクのほうが圧倒的に高くなってしまっています。

この状況を受けてのバーナンキ発言ともとることが出来るかもしれません。
週明け、日本は祝日でしたが、欧米では緊急利下げの噂が飛び交いドル円も年初安値の水準の手前まで下落しました。その後この噂が沈静化し、IBMの好決算予測を受けて108円台に乗せてきましたが、市場は明らかにネガティブ材料に敏感に反応することを確認したと言えます。

ゴールドマンの予測通り、リセッション入りは避けられないのか。これを回避するための政策が市場にどのように評価されるかがこの先の相場を決めることでしょう。最早リセッションが回避しえないものとまで言い切れる参加者は未だ少数です。

既に円買い、ユーロ買いといったポジションは相当積みあがっていることもあり、なかなか更なるドル売りに動けない市場がそのことを物語っていると思います。

まだ決め打ちは出来ない段階と思います。



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