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2007年12月17日
■「徳政令というよりは三方一両損?」
先週月曜日にも緊急発表かと噂されていたアメリカのサブプライム対策が6日に発表され、金曜日に発表された米雇用統計も最も落ち着いた数値となったことで市場のネガティブな心理は一旦落ち着いた感じがします。
火曜日のFOMCに対する市場予想も、25bpsの利下げが大勢となり50bpsを予想する人は急速に減少しています。(もっともこの記事が出される日には結果が出てしまっています)
さて、冒頭に紹介したサブプライムローン救済策ですが、概要は以下の通りです。
・2008年1月以降2010年6月までに金利リセットを迎えるローンであること。
・サブプライムローンの借り手であること。
・現時点で延滞を起こしていないこと。
・別のローンへの借り換えが出来ない場合であること。
・リセットによる金利上昇によって支払いが滞る可能性が高いこと。
上記要件を満たす債務者に対しては、リセットを5年間凍結するというものです。
借金棒引きの徳政令的措置ではありますが、サブプライム絡みの金融商品に投資している投資家が一方的に不利益を被る形とせず、うまく双方のバランスを考慮しながら練られたものと思っています。
しかも政府主導のものとはいえ、業界の自主合意という形をとり公的資金の投入は回避し、一般国民からの風当たりも考慮されているようです。
してみると徳政令というよりは、三方一両損というべきなのかもしれません。
政府の発表によれば、この措置で最大120万世帯がこの適用を受けることになるそうです。
この措置で、救済されるであろう人の比率は20%弱といわれています。その実効性はこの先の成り行きを待たねばなりませんが、年明け以降に顕在化してくるサブプライム問題の実害部分に一石を投じた点は評価されるべきと思われます。
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