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2007年12月10日
■「これぞ骨太の政策でしょう」

サブプライム問題への値踏みの不透明感が支配していた各市場において、先週はポジティブ視される材料が軒並みでた一週間でした

FRB、ECBと年末資金需要拡大を前に年越しを見越し潤沢な資金供給をする準備があることを発表しました。
資金市場が信用不安から資金不足に拍車をかけてしまえば、年末という季節要因から必然的に資金タイトな市場が必要以上の動きとなることを抑えようとする意思の表明であり、中央銀行として為すべき当然の行動と考えます。

更に、先週も触れました、アブダビ投資庁によるシティグループへの資金注入。見方はいろいろあります。この資金注入のリターンとしてアブダビは11%とも噂される金利収入を得るといわれています。「そこまで傷んでいるのか?」という印象を持っても間違いではありませんが、市場は、これを歓迎し、株価も上昇しました。

まだありました。バーナンキFRB議長、コーンFRB副議長が相次いで12月の再利下げを示唆する発言をしました。

こうも立て続けに材料が出た上に、止めは米財務省がサブプライム問題の焦点である金利リセット(一定期間経過まで据え置かれていた金利がそれを境に変動する仕組み)を先延ばしする政策案の検討に入ったという報道。週明け(12月3日)にもその骨子が発表されるとの噂も広がりました。

実際には、月曜を迎えてもその詳細は明らかにはなりませんでしたが、ポールソン財務長官はこの徳政令的法案の具体化に向けての検討が進んでいる点については明言しています。

先のFRBの資金供給も財務省の徳政令も一つ間違えれば「モラルハザード」を引き起こす劇薬的措置である点は押えておかねばなりませんが、官民をあげて今そこある危機を乗り切るという姿勢で一致している点は、日本のバブル後からの学習効果の表れとも思えます。

くどいですが、この方向に現時点での誤りは無いものと考えます。



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