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2007年12月03日
■「対処療法で時を待つが寛容か」

サブプライム問題での不安をくすぶらせて年末を迎えようとしています。
先週末、ECBが「逼迫している金融市場の急変を防ぐため、潤沢な資金供給を続ける」との声明を発表しています。
年末に向けての資金調達を出来るだけ円滑に進めさせ、悪戯な不安心理の増幅を防ごうという意志の表れです。

サブプライム問題によって金融機関相互の信頼関係に不安の影が落ちており、資金を手元においた方が、資金貸し出して金利を稼ぐより安全という意識が強まり資金市場の金利は上昇しています。
季節的にも年末は金利の上昇し易い時期でもあり、今年はこれに上記のバイアスが加味されてしまうわけで、最後の出し手としての中央銀行の役目は重要です。

週末は日米で祝日が続き、為替市場も薄い商いの中で円高が更に進行しました。月曜には中国が日本株への投資準備に入るとの一部報道に円買いが進む場面もありました。
各市場ともあらゆる基準から見て下げ過ぎとみられる水準に達していると言われる中、更なる暴落があるとするなら、それは市場の不安心理がもたらすものでしょう。これを一気に解消する術は現段階では難しいですが、パニック売りを抑えなだめすかしながら市場の売り疲れを待つ為にも、各国中央銀行の資金供給姿勢はこれから暫くも重要と言えます。

火曜日にはアブダビ投資庁がアメリカのシティグループに出資との報が飛び込んできました。
先のG7でも話題となった政府系投資ファンドの草分け的存在であり、この報道をきっかけに一時ドル円相場も2円弱程上昇しました。こうした流れが他の政府系ファンドにも波及するかは不明ですし、ドル円相場もその後戻り売りにあって、値を下げましたので「時は今」とは行きません。

流れは未だ不安心理からの売りが優勢です。



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