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2007年11月19日
■「従流志不変」
サブプライムローンの証券価格が下げ止まらない為、各国金融機関の評価損拡大報道が相次ぎ、各金融市場も大揺れとなった一週間でした。
別段含み損を隠していたわけでもなく、評価レートが下がった為の評価損拡大ではあるものの、こうも立て続けに出てしまうと市場心理も平静ではいられなくなってしまいます。
金融機関のこうした状態は資金市場でのリスク判断をより慎重させてしまい、金利が上昇してしまいます。そろそろ年末資金の資金繰りも近づいていますので勢いその流れが加速してしまいます。
当局も手をこまねいているわけではなく、かなり大規模な資金供給を行っているようです。しかし、その事実がまた一方で、事態の深刻さを証明してしまう結果となってしまっている今の状態はまったく痛し痒しという感じです。
そんな折、タイトルの言葉を見かける機会がありました。「べき論」で市場の流れに逆らっても詮無き事、さりとてそれを盲目的に信じて突っ走る時期ではないとも思える。
過剰流動性の中、資金の動きがインフレの胎動を示しています。
この市場不安解消には、関連証券の買い上げか、「下げ止まり」の確認と言うことにならざるを得ないでしょうが、モラルハザードを抱える前者には動きにくいでしょうから、当面は市場が底を確認するまでは現状からの改善が一気に起こるのは難しいのでしょう。流れには従わねばなりません。
しかし、例えばドル円。ドル安の流れは続くものの、絶対的な金利差の中、この通過ペアでのドル売りがこれ以上加速できるかと言えば、そろそろ底が見えてきているのではないでしょうか。こうして各市場においても徐々に底の確認が示されていけば、この問題の不安心理も徐々に解消されていくものという信念だけは持ち続けております。
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