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2007年11月12日
■「FOMCの結果を受けて」

先週のFOMCにおいてFEDはFFレートと公定歩合の25bps引き下げを多数決によって決しました。これは大方の市場参加者の予想通りの決定でありました。

注目すべきはその声明において、サブプライムに端を発した信用不安による流動性リスクと、商品市況やドル安によるインフレ懸念とを今回の利下げによってイーブンとなったと断言している点であろうと思われます。

市場では、先週も触れたように、50bpsの引き下げも予想され、また今回25bpsであっても年内に再度25bpsの利下げがあるとの見方がありました。そうした観測にFEDははっきりとNOのサインを示したわけです。

もちろん、今後の環境によってさらなる利下げに踏み切らざるを得ない状況に追い込まれる可能性は残されています。重要なことは信用不安の悪循環を断ち切るため必要なことが、市場の催促どおりに利下げをし続けることではなく、当局がどこかの時点で「これが最後です」と打ち止めを宣言することにある点をFEDが重視していたと言うことでしょう。

ここからは、市場参加者としてはやや外れた意見となりますが、前回の50bps、今回の25bpsの利下げは共に予防的措置であります。つまりサブプライム問題が実際に顕在化するのはこれからであることも、8月のショックを受けて各金融機関がこれから発表する決算予想も全て織り込んだ上での措置であることを市場に対して示しているわけであります。

既に、続々と発表される金融機関の決算予想は悪化しており、そのたびに市場は反応しています。市場参加者としてはその時々の反応に追従していかねばなりません。「べき論」を叫んだところで市場の波に飲み込まれるのがオチです。

ただ、市場は一方でポピュリズムを嫌います。ここから先の報道に額面どおりに乗っていくことはそろそろ危険だと思われます。くれぐれも市場への入り方を誤らないようご注意ください。



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