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2007年11月05日
■「FOMCの決定は如何に?」

今週は結構イベントが盛り沢山です。週初はFOMC、欧州で各国大手金融機関の第3四半期決算、週末には米雇用統計。

FOMCを控えた先週は米大手金融機関で予想を大幅に上回る損失予想が発表され、発表された住宅関連指標も芳しいものではなく、各通貨に対してドルは売られました。除く対円ではありますが・・・・。

投資資金は、勢いコモデティと関連通貨に流れ、資源国通貨のCADは33年ぶり、AUDは23年ぶりというドル安水準に達しています。
こうなると、市場もFOMCでの更なる利下げを織り込み、据え置きか、25bpsの再利下げかという議論から、25bpsか50bpsの利下げかという議論へと変ってきています。

今回の問題における第一義的命題は信用不安からの市場混乱を早期に収束させ、リセッション入りを阻止することにあります。実際現状住宅関連を除く米国経済の状態は決して悪いものではないので、水際で食い止められるならリセッションへと走ることは避けられると思われます。
またソレを前提としているからこそ先のG7での声明が許容されるものと考えます。

前回のFOMCでの50bpsの利下げには信用不安への当局の強い姿勢と予防的意味合いが込められていたことを思えば、状況を不安視されるような発表が続いたとしてもそのこと事態、ある程度は織り込み済みと判断しても悪くはないとさえ筆者は思っています。

しかし、当の市場が不安を顕にしている中では、この主張にあまり意味はありません。まずは沈静化を図らねばなりません。かといって再度50bps下げるべきかというとこれには賛同できません。先週も触れていますが、やり過ぎれば、更なるドル安、インフレ懸念の拡大と同時にモラルハザードの問題が膨れ上がるだけです。

状況は日本の金融危機の時と似ていますが、既に官民共にその対策について着手を始めています。どの道この不安心理は金融政策だけで解消されるものでないことを日本で学習済みであるのですから、徒な金利操作は後々のより大きな不安を増大させてしまうでしょう。



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