TOP
コラムTOP
最新コラム
バックナンバー
2007年10月08日
■「危機は回避したが、「もう大丈夫」ではないですから」

ドル円を見ているとどうも手詰まり感の強い外為市場ですが、ユーロ、カナダドルは対ドルで上昇、ユーロは史上最高値を更新、カナダドルはなんとパリティを割っています。1カナダドルが1USドルより価値の高い通貨となってしまったのです。その結果当然と言えば当然ですが、カナダ円の相場は非常にドル円に近い水準で推移しており、パッと見ると間違えそうです。

そういえば2000年頃のユーロがこんな水準で推移していました。もっともあの時はユーロが下落していたのですが。

通貨全体を見渡すと、ドル安、円安、他通貨高といった様相であります。サブプライム問題に端を発した信用不安は依然くすぶり続けてはいるものの、これまでの各国当局の手当てによって大爆発の危機だけは回避されたと言えるでしょう。その結果、投資対象としての米ドルに妙味が消え、ドル安が浮かび上がってしまったようです。

ドル金利の下げ観測が払拭されない間は、円以外の通過に対してドルは弱含みの推移を続けそうです。一方、円も他の通貨に比して圧倒的な低金利水準にあり円が買い進まれる環境にないことを見ると、当面ドル円は現状水準での推移を続けることになりそうです。

他通貨とのクロス円取引において、押し目買いの姿勢が安全と言うことになりそうです。
まさに、サブプライム問題以前の円キャリートレード復活の様相であり、信用不安の沈静化の意図もあってかこの問題を過去のものへと押しやる流れも出ています。

そのこと自体は良しとしても、それ以前の上げ潮状態とは違う点だけは留意しておかねばならないと思います。
その意味で、本日グリーンスパン前FRB議長が各方面で発しているコメントはタイムリーであったように思います。



Copyright (C) 2004 fx-newsletter All Rights Reserved