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2007年09月10日
■「実弾を打ち込む前の下準備」

先週も金融市場の混乱は続き、各市場はボラタイルな値動きを続けました。
こうした中、アメリカでは連休前の金曜日、当初より予定されていたバーナンキFRB議長の講演に加え、急遽ブッシュ大統領がサブプライムローン問題への政策を提案しました。

この政策提案の実効性をあれこれ批評する前に、アメリカでは金融当局のみならず、政策当局もこのサブプライム問題の重要性を認識しているのだという姿勢を打ち出した点は大いに評価できるものと思います。

更に、既に筆者も指摘しておりますが、これら一連の政策が抱えるモラルハザードの問題に関しても、両者は言及しております。
即ち、FRBもホワイトハウスも損失を出した投資家の救済が目的ではなく、この現状を放置することで誘発される善意の第三者への被害ひいては世界経済への悪影響を防ぐことが目的であるとしています。

市場が抱える懸念をFRBもホワイトハウスも共有しているおり、決して予断を許さない状況であるというアナウンスメント効果は不安が支配する今の市場にあっては重要であったと思います。アメリカは月曜が休日ということで、市場がこれらのメッセージをどう消化していくか暫くは様子を見なければならないでしょう。

この問題に火が点いた先月、各国の金融当局が打ち出した流動性供給への批判がありましたが、FRBにしても単に資金をジャブジャブにすればこの問題が収束するものではないとの認識にあることも今回の講演である程度確認できたものと考えます。

また、市場はFFレートの引き下げを催促するように推移しておりますが、そうした市場の声にもバーナンキは十分耳を傾けている点も表明し、さらには要求どおりに引き下げを実行する為の条件についても触れました。

その意味で、これからFOMCまでに発表される各指標はいつになく重要な意味を持ってくることでしょう。



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