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2007年09月03日
■「事態は沈静化へ」

先週一週間の各市場の動きを見ると、サブプライム問題を震源とした世界経済崩壊という不安心理は沈静化したものと思われます。

勿論、アメリカの住宅市況の悪化をみればサブプライムローンが抱える本当の問題はこれから先に表面化してくるものなのですが、それ故に再び先々週のごとき世界各国の市場が暴落するような状況になることだけは回避されたものと考えています。

各国中銀の素早い行動とこれにしっかりと呼応した民間の動き、即ちFRBの公定歩合引き下げを受けた米4大銀行の連銀窓口での借り入れ実施。また各国でサブプライム絡みでの行き詰まりが公表され、損失、破綻、リストラといった様々な形で現状が明らかにされました。

こうしたことによって先が見えないことによる不安が相当緩和されたということです。
更に原因究明への動きもはじまり今後の予防策にも手が進んでいると言う点も大きな安心材料となっていることでしょう。

こうした一連の動きによってサブプライム問題は当初より想定されていた規模に戻り、負の連鎖に歯止めをかけることが出来たということでしょう。

事実、各市場は先々週の暴落前の水準に近いところまで値を戻してきました。ドル円相場も116円台に乗ってきました。ただし、これで先々週以前の地合に完全に戻るかと言えば間違いだとも思います。

米債市場で言えば、公定歩合の緊急引き下げ以降、次回のFOMCまたはそれ以前にFFレートの引き下げがあるだろうと言うことをある程度織り込んで動いているものと思われます。
実際にFFレートを動かすかどうかは微妙な情勢であり、FRBにしてみれば動かさずに済めばそれに越したことはないと考えているはずです。

また全ての影響が明らかになったわけではありませんから、今後も各方面からサブプライムに絡んだソレこそ地雷がぼんぼんと爆発することも覚悟しておかねばなりません。

ここからの相場は、全く別の相場であると切り替えて望みたいと思います。



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