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2007年08月06日
■「自民党的戦略がもたらした勝利」

参議院選挙が終わりました。大方の予想通り自民党が大敗し、民主党が大勝しました。
はっきり言って歴史的大敗と書かれるほど自民が減り、民主が60も獲るとは思いませんでしたが。

確かに自民には台風並みの逆風が吹き荒れていましたが、風だけで議席が変動するのは無党派層が最大勢力である都市部が中心となるはずでしたが、今回の目玉は保守王国と言われていた地方でした。

公示前より一人区が勝敗の鍵を握ると言われ続けておりましたが、さりとて保守王国の牙城を崩すのは至難の業であり、ここまで自民が完敗してしまったのは意外であります。

都市部での民主の圧倒的得票数は確かに自民の自殺点に拠るところが大だったでしょう。しかし、この地方の切り崩しは小沢民主党の戦略勝ちといえます。

これまで民主は小さな政府を標榜し、地方ばら撒きの大きな政府にNOと言い続けてきた政党というイメージが強く、都市部には強いが地方に弱いとされてきました。またその特色が自民党との対比となって2大政党時代の最有力政党とされていました。

小泉自民党は小さな政府への期待を敏感に察知し、先の衆院選では民主党の十八番を奪い、票の読めない都市部で民主党に流れていた浮動票の刈り取りに成功して大勝しました。
良くも悪くも、自民党が長きに渡って政権政党であった最大のポイントは、この十八番取りの旨さにありました。この自民党的戦略を小沢さんは見事にパクった、というより自民党で身に着けた戦略を見事に実践したと言えるのではないでしょうか。

2大政党制のアメリカにあっても民主党と共和党の特色はぼやけています。互いの特色を打ち出すというよりも双方の長所を上手く融合させたパッケージを作れたほうが政権を獲る。という構図が鮮明となっています。

民主党はその意味で一皮剥けたと言っても良いのではないかと思われます。ここから問われるのは政局ばかりに走らず、真面目に政治と対峙していく姿勢でしょう。空転する国会では地方の期待には応えられません。政治の停滞は経済にも悪影響です。与党との対決姿勢だけが戦略ではありません。なにが国益となるかをしっかりと見据えて活動してもらいたいです。

黙っていても3年間は参議院の第一政党として君臨できるのですから。



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