TOP
コラムTOP
最新コラム
バックナンバー
2007年07月09日
■「潮目は実感できないけれども」

アメリカのサブプライムローン問題とBISのレポートで、先週前半こそ円高方向への動きを見せた相場でしたが、流れは続かず。金曜日発表の日本の消費者物価指数、特に東京都区部の消費者物価指数が前年同月比マイナス0.1%と市場予想プラス0.1%を下回ったことで日本の物価上昇圧力の弱さを示してしまい、「日銀の早期利上げは困難」との見方が再浮上してしまいました。

折角、外の環境が整ってきたのに肝心の国内では利上げの理由が薄れてしまったのです。
後から見れば、シカゴ通貨先物の過度な円ショートポジションの調整が起きただけ?というような相場で終わってしまいました。
実際のところはわかりませんが、過去に何度となく指摘したとおり日銀サイドにしてみれば各国が金利低下局面に入る前に一日でも早く日本の金利水準を回復させておきたいはずです。金利低下の波が押し寄せた時ののりしろを作っておきたいのです。
しかし、これで前回利上げしていたら逆に大騒ぎだったでしょう。

先週は各金融機関も潮目が変わったというタイトルが多く見られましたが、残念ながらそれを実感するには今しばらく時間が必要なようです。
しかし、これまで指摘してきた円安に対する海外の不快感はなんら変化してはおりません。円キャーリートレードを始め、円ショートがワークしなくなる環境ではないと言うだけです。

月曜の東京市場の動きをからも円を売り込み続ける形ではなく、円ショーは持ちながらもポジションを必要以上に膨らまし続ける動きではないようです。

上抜けの状況が薄くなれば、いつしかキープしている円のショートのコストも徐々に高くなり、逆に下落圧力へと転じることでしょう。おそらくこの流れに最も鈍感なのは円を自国通貨とする私達です。長引くほど忘れがちですが、この警戒感だけは忘れないようにしたいものです。



Copyright (C) 2004 fx-newsletter All Rights Reserved