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2007年06月25日
■「円安進行しましたけど」

先週スイス中銀が、予想通りながら利上げに踏み切りました。その後の中銀総裁のコメントはよりタカ派的であり、ここ最近の各国の利上げの動きと相俟って金曜日の日銀政策金利決定会合に注目が集まりました。

本来中央銀行はインフレファイターとしての役割が強く、その意味で最近の各国中銀の利上げは本来の性格を体現したものといえるのではないでしょうか。
これまで、国内の物価状況、政治日程を踏まえれば日本の秋までの利上げ可能性は低いと見ていた市場も、キャリートレードの双璧だったスイスが他国の利上げ姿勢に追随する形となり、さらにあのタカ派コメントを受ければ動揺するのも無理からぬことと思いました。

何より絶対的金利差が拡大してしまいます。予想通り秋以降まで日本の利上げがなければその間にもう一段の拡大懸念すら出てしまいます。現状の円安水準にあって尚この円安が加速する材料を市場に提供してしまいます。

政治家の都合はともかく、日銀サイド特に福井総裁は一日も早く正常な金利水準を回復させたいと考えているという認識には市場も異論はないようですし、スイスの姿勢はある意味外堀を埋められたようにも映りました。(利上げの絶好の口実が出来たと思ってもよかったでしょう)

7月の利上げは選挙日程に近すぎて政治サイドからの反発が強いでしょう。8月以降では前述の通り遅すぎるかもしれない。さすがに今回据え置いてもその後のアナウンスメントにはタカ派的要素を盛り込んで、キャリートレードへのけん制とするのではと期待されました。

結果は、この期待が裏切られ円安は進行しました。

どうやら、前週の長期金利の上昇から市場が相場の転換点の見極めに先走りしすぎてしまったようです。こうして先手先手のポジション調整がここまでの円安を誘導してきたことを思えば今回もまたその流れに沿った動きといえるかもしれません。

しかし、筆者はそれでもやはり相場の転換点はさらに近づいたと思います。この円安の巻き戻しのスピードは過去の事例同様速いでしょう。



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