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2007年06月18日
■「基調転換の予兆でしょうか」
先週の外国為替市場は各国の長期金利の変動にやや振り回された展開となりました。アメリカでは、これまで断続的に利上げを実施しながらこれに追随してこなかった長期金利の停滞をかのグリーンスパン元FRB議長は「謎」と称してきました。
インフレなき持続的成長の牽引役となっていた中国、東欧をはじめとする新興国の低コスト労働力とIT革命による経済活動の効率化。昨今の新興国市場の急成長は前者低コスト労働力の上昇を明らかに助長しています。物価上昇こそ低く抑えられておりインフレの顕在化までには至ってはいませんが、労働需給の逼迫化は明らかであり、先週もニュージーランド、ECBで利上げは実施され、アメリカでは利下げ観測を後退させた金融機関のレポートが出され、BOJだって本音では早期に金利水準を正常な状態までもっていきたいこの環境下、遂に長期金利も重い腰を上げ始めたという状況でありました。
長いこと長期金利の低さに安穏としていた為か、ややパニック的な上昇も見られたため反動もすぐに現れましたが。
但し、個人的にはこの長期金利の動きが即、インフレ懸念の増大→更なる金利上昇となるものではなく、これまで謎といわれた歪みの修正なのではと思っております。
従って、まだ暫くはインフレなき持続的成長の恩恵は受けられるでしょうし、相場の基調も続くとは思われます。ただし、市場は先週のようにリスク材料への感応度が非上に高くなっています。
更に、月曜日ニュージーランド中銀がNZD売りの市場介入に踏み切りました。はっきり言ってBOJ、FRB、ECBの介入のような影響力はありません。しかし、現在の基調の転換点としてこれまで政治的要因を指摘してきた筆者としては、このトピックスもまたこの先にいつかは訪れるであろう基調反転のひとつの予兆となるのではなかろうかと考えております。
市場のリスク感応度が高く上手い具合にガス抜きがなされているように感じますので、この反転がどれ程大きなものになるかは判断の難しいところではあります。がこれからはガス抜きのような小さな動きにもしっかり反応できるように準備しておく方が安全なのだろうとやはり思います。
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