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2007年03月19日
■「地合いかわらず」

先週、ドル円は結局昨年12月につけた安値を更新することなく、金曜に発表された米雇用統計後は、更に上昇し、118円台前半にて越週となりました。

月曜日に発表された3月6日時点のIMM通貨先物のポジションにおいても、円ショートは前週の約3分の1程度にまで縮小され、リスクリダクションの動きが早々に完了していたことを裏付けました。

今更といってしまえばソレまでですが、先々週からのドル円、クロス円の急落はファンダメンタルズを反映していたというよりは、傾けすぎたポジションの調整色の意味合いが濃いものであり、過去の教訓を踏まえた参加者の健全な動きであったということが確認されたものと思います。

唯一懸念材料であった、米国の景況感においても、雇用統計における前月前々月の上方修正が、やや低めに予想されていた2月分の数値をリカバーしたことで先行きの見通しを明るくしました。このことでドル円の下値へのリスク警戒感は払拭され、110−115レンジへの可能性を打ち消したものと考えています。

しかしこの下げ局面において、見事に下値を拾えた参加者の利食いや、期末を控えた本邦実需筋のドル売り興味が118円半ばから集まりだしています。
この水準はおりしも日足一目の雲の下限水準ともなっており、少なくとも暫くは大きな壁となって立ちはだかる事でしょう。

しかし、下げ局面を丁寧に拾っていれば、このレジスタンスを上抜ける確率は下げ戻すリスクより高いと考えています。

さて、月曜日国内では注目を集めていた日興コーディアルの上場維持か廃止か結論が発表されました。ご存知の通り、東証も大証も上場維持を決定しました。
日経をはじめ各紙が断定論調で上場廃止を報じていたのは一体なんだったのでしょうか?
勿論、観測や予測としての報道であれば全く問題になることではないのです。もはや上場廃止は規定路線でありあとはタイミングを計っている段階と、あたかも内部リークによって裏が取れているかのような報道姿勢にメディアとしての品格を疑わずにはおれません。

同様の事例は日銀の金融政策決定会合の折にも触れております。功名心にはやったとしか思えない報道姿勢に再度猛省を願いたいものです。



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