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2007年02月12日
■「誰も大幅な円安水準調整は望んでいない」

G7が迫ってきました。おそらく目下市場の関心は現在の円安水準について何らかのコメントが付けられるのか。ということのように思います。

既に欧州サイドからは複数の要人が現在の相場水準に対する不快感を表明しています。
先週、アメリカサイドでは、ポールソン財務長官の議会発言が注目を集めました。


・「日本の通貨を非常に、非常に注意深く見守っている」

・「貿易加重平均でみると20年来の円安水準にある」

・「2004年3月以来市場介入による意図的な相場操作はなされていない」

・「最大の関心事は相場水準が競争的な市場で決まっていない通貨であり、円は非常に奥行きのある競争的な市場で相場が立っている」

こうした発言が飛び出し、はじめの2つで大きく円の買い戻しが出たものの次の2つと現在の円安の原因がファンダメンタルズに起因していると分析していたことで値を戻しました。

アメリカの、少なくともポールソンの立ち位置は至って簡潔であり確かに現在の円相場の水準はかなり割安であり米国内の輸出企業にとっては面白くないだろうが、現在の相場形成において政治的な動きが無い以上、自分達から政治的な圧力を持って相場水準を動かそうとは考えていない。ということでしょう。

先週も触れましたが、日本が2004年3月以降一切市場介入を行っていない中、G7が政治的思惑で相場水準を動かそうとすれば、その変動は日米欧が想定している程度の修正で止まることは決してなく、かえって世界の景気に影を落とすことになると危惧します。

過去の事例を見ればこのことは明白であり当然各国もそれを承知していると思っています。彼らはこれ以上の円安進行を止めたいのであり必要以上の相場変動は望んでいません。

欧州サイドとしてはこれだけ事前にアジっているので全く議論しないということは無いでしょうが、ステートメントに何らかの措置が盛り込まれることはやはり無いと思います。

結果として、短期的には円の買い戻しが出たとしても徐々に絶対的な金利差が相場の流れを支配することになると思います。



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