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2006年10月23日
■「じっくり待つ」

6日の米雇用時計、9日の北朝鮮核実験成功報道によって、ドル円は底堅さを増しています。
連休明け以降のドル円相場は120円手前に並んだ、オプション絡みのドル売りや、本邦実需筋のドル売りに上抜けすることが出来ず、一時的に短気筋のドルロングの損切りオーダーが並んでいた119円20銭レベルをヒットして、119円割れまで下がりましたが、このレベルを押し目で拾ってくる参加者も多く、119円半ばで越週となっております。

円のショートポジションはこれ以前から既にかなり膨らんでおり、売られ過ぎのサインも出てはいるものの、北朝鮮による地政学的リスクはポジションの傾きを背景として買い戻すにはかなりの勇気を必要とします。
また、ドルに目を向ければ、雇用統計発表前まで利下げの可能性をかなり織り込んでいた市場は、このシナリオが一気に遠のいたことによるポジションの巻き戻しを迫られています。
円に比してドルのロングポジションは利下げを織り込み始めていたこともあって、かなり軽めとなっており、今後このドルの買い遅れ感がドル円相場を下支えし、近々に120円をブレイクし、次のターゲットと目されている121円半ばの水準へと押し上げていくことになるのではないでしょうか。

例え日銀が年内に利上げモードに入ったとしても、日米間の絶対的金利差は当面続くこととなり、地政学的リスクに晒されている現状では、円のキャリートレードを進め易くもしています。
また、一方でシカゴIMMのカレンシーポジションに関して過去のピーク水準まで円ショートが積みあがっているとはいえ、昨今注目度を増したこの市場への新規参加者の増加が絶対的なポジション増に影響しているのではないかとの見方をする市場参加者もおり、やはり円売りのピークとの見方を後退させる材料となっているようです。

依然として北朝鮮に関する国際情勢は不確定要素として注意が必要ですし、先週あったように、高値を追いかけると足元をすくわれることにもなりますが、根っこのロングを常にキープしながらじっくりとドルの上昇を待ちたいと思います。



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