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2006年09月04日
■「円弱含み」
ドル円は先週発表された日本のCPIの数値が弱かったことを材料に、円売りが加速。金曜に117.41の高値をつけました。
5年毎に行われ基準改定とぶつかったことによる影響も多少は織り込んでおく必要はあるでしょうが、何よりゼロ金利解除を受けて盛り上がっていた日銀の金融引き締め観測に水を差した格好となったのは確かです。
これによって円金利が急低下しました。FRBが金利引き上げを休止し、インフレ懸念後退を示す指標の発表が相次いだとはいえアメリカが一気に利下げ局面を迎えるとは現段階で言い切れず、一方の日本で利上げ期待が後退したことは即ち、日米金利差縮小期待のポジションを剥落させることになります。
金利差縮小の時間軸が後ズレしたことで、今しばらく高金利選好のキャリートレードの旨味が継続されることとなり、この点でも円売りに比重が傾きました。
ユーロ円も依然高値圏に張り付いており、今月末までに散在する150円トリガーポイントを目指す動きもドル円の円売りをサポートする形となるでしょう。
但し、残念ながらこの勢いで4,5月のドル急落後の戻り高値である118円絡みを上抜けるのは難しそうです。久々の117円台で売り興味を示す本邦輸出筋が既に控えており本日(月曜)東京時間でも金曜の高値には届きませんでした。またユーロ円の150円トリガーですが、先週25日までにかなりのオプションが期日を迎えており先週言われていたほどの規模ではなくなっています。防戦売りも強い上に月末が近づくにつれ規模が小さくなると150円をつけた後のユーロ買い自体も然程大きくなりそうにありません。
何より金利差縮小シナリオを早めに描いた期待感が薄れただけであり、シナリオ自体が消えたわけではありません。
今週は押し目買いのドルロングでワークするでしょうが、けっして突っ込んで買える環境ではないでしょう。29日に8月8日のFOMC議事録が発表され、9月1日には米雇用統計も控えています。また来週は北米がロングウィークエンドとなることもありポジションを大きく傾けるのは難しい週といえます。
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