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2006年08月07日
■「転んでもただでは起きない」
外為証拠金取引がここまで一般個人に浸透してきた要因がひとつやふたつではないことに異論は無いでしょう。長期にわたる低金利が、リスクをとって少しでも高いリターンを求めようという、これまでなかなか日本で受け入れられなかった姿勢を受け入れざるを得ない状況にした点。それを後押しした政治の流れ。等々。
とりわけインターネットの普及とトレードシステムの急速な発展は、一方の大きな柱であったといえます。個人取引の一翼を担う主婦層は昔から「へそくり」なる手法による蓄財術を自然と身に着けていくそうです。当然そのお金はこっそりと貯め込まれるわけで、インターネットでこっそり取引が出来るようになったことは彼女たちのニーズに合致したといえるでしょう。
と勝手な推測はここまでにしまして、ITの急速な進化がこの業界にも多大な影響をもたらしたことは間違いないのですが、このトレードシステムの発展のきっかけはバブル崩壊後長きに渡って苦しんだ金融機関の副産物であったように思います。
それまで各大手金融機関はシステム構築を専ら自社開発としていました。(全てというわけではありませんが)ひとつには情報の漏洩を警戒していた点があったでしょう。もうひとつにはそもそもあまりシステム開発自体を重く見ていなかったということもあるかもしれません。
銀行のシステムって内部にいると全く垢抜けなくて不便だと思う人は多いと思います。ところが一方で多くのシステム開発会社が苦手とするのは金融機関のシステム構築だったりします。ノウハウが流出してこないのですから。
バブル崩壊で、スリム化を迫られた金融機関はそれまでの方針転換を迫られシステム開発のアウトソーシングを始め、また金融機関の人材流出もこの時期に活発になり、めぐりめぐって私たちが目にするトレードシステムに至ったといえるのではないでしょうか。
失われた10年と一言で言われたりもしますが、どっこい失われたものばかりでない事がこんなところにもあったりするわけです。いまやドライブには欠かせないカーナビシステムも不況にあえいでいたアメリカがGPSを一般開放したことで普及したのになんか似ています。
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