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2006年07月17日
■「インターバンク故の悲劇」

先週は、米雇用統計の数値をめぐってのニュースやら、北朝鮮のミサイル事件やらトピックスがてんこ盛り状態でしたが、相場自体は思ったより冷静であったように思います。

今年の年初でしたか、政治問題がポイントになりそうだと書いたように思いますが、あの時点で予想された以上に政治が大揺れの一年となってきました。

各方面で既にコメントが出ていますけど、やはり北朝鮮のミサイル問題に触れてみます。

既にご存知の通り、アメリカは北朝鮮に対して金融制裁を行っています。お金が自由にならないので北朝鮮はかなり窮地に立たされているといわれております。
思い起こせば1998年に宮城沖はるか海上に落下したテポドン騒ぎのときも結果的にアメリカとの直接交渉を引き出させていました。

彼らは二匹目のどじょうを狙ったという見解はやはり正しいものと思われます。つまりはじめから日本は眼中に無かったということでしょう。

眼中に無かった。というのは日本からしてみるとかなりカチンと来るお話ではありますが、二匹目のどじょうを取らせないためにも、ここはグッと堪えて先方の思惑に乗せられないことが最も効果的な対応ということになります。
その意味においても今回の世界の対応は的を射たものであったと考えます。

かわいそうだったのはインターバンクの市場参加者です。こんな事件が飛び出せば、地政学的リスク増大から円は一時的にしろ売られやすくなりますし、NY休日でいつも以上に流動性の乏しいシドニー時間からの出来事。海外から回ってきたリーブオーダーを見ればすぐ先にS/Lのドル買いオーダーです。事情が事情だけにS/Lの手当てをせずに売り向かうリスクはそうそう取れるものではないでしょう。インターバンクディーラー故の悲劇がありました。

挙句、NY時間ではこれまで話題にも上らなかった指標がきっかけであっさりと朝方のS/Lをつけられてしまいまさに泣きっ面に蜂状態でした。

こういうときは本当にインターバンクを離れていて良かったと思ってしまいます。



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