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2006年06月12日
■「懐かしいぞ。バンチャイ」
先週、香港で過去6年間で世界最大規模となるIPOがありました。中国国有商業銀行の一つ中国銀行(BANK OF CHINA)です。今更言うまでも無いとは思いますが、日本の中国地方を基盤とする中国銀行ではありません。また中国の中央銀行でもありません。(ちなみに中央銀行は中国人民銀行です)
その額は97億3千万ドル。このIPOへの応募はなんと17倍の倍率となったそうで、6月1日の上場初日終値は3.4香港ドル。公開価格2.95香港ドルを15%も上回ったそうです。
中国銀行は近々に中国本土のA株市場にも上場を予定しているそうです。
既にMSCI等が指数構成銘柄に組み込むと発表しており、INDEXファンド系の買いも見込まれ暫く強い地合が続きそうです。エマージング市場の地合の悪化の影響もあり香港市場全体としては軟調であることから、この大型上場は香港市場には正に救いの手となったことでしょう。
さて、この中国銀行、スタンダードチャータード銀行、HSBC銀行と共に香港ドルの発券銀行でもあり、また90年代後半辺りからは外為市場でもビッグプレーヤーとして噂が飛び交うこともあり、その筋では結構有名な銀行であります。筆者もディーラー時代には良く呼ばれていました。(本当は書きたいことたくさんあるのですが、書ける内容かどうかの判断が難しいのでやめておきます)
中国ではここに来て、市場開放路線の一環として金融機関の上場を徐々に始めています。驚くことにこれまでは殆どの金融機関が非上場であったというか、未だに非上場であるということです。報道によればかなりの金融機関が多額の不良債権を抱えているとも伝えられており、基盤の固まった良さそうなところから順番に上場させていこうということなのかもしれません。
中国銀行はこうしてロケットスタートを切ることが出来ましたが、これから登場するIPO銘柄全てがこのようになるとは限りませんのでご注意を。また中国ではIPOされたとしても依然として発行済み株式の殆どを中国政府が握っております。この点も徐々に開放路線を辿るようではありますが、中国本土の市場規模からしてもその動きは緩やかにせざるを得ないでしょうからこの点も注意が必要です。
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