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2006年05月29日
■「目先の底は確認。でもブル転というには早い」

アジアをはじめとするエマージング市場、商品市場、株式市場軒並み売られています。この資金がドルに回帰する動きを受けて為替はドルが各通貨に対して大きく買い戻されています。
世界的な不均衡是正が表の顔だったとすれば裏の顔はこうした需給要因によるところが大きかったということでもあったようです。

再三、本欄でも書きましたが、不均衡是正の手段として為替相場を動かすことは、即効性はあるとしても、本質的な改善処方とは言い難くむしろ必要以上の放置は後戻りできないほどの危険を孕んでいるといえます。

この反転は市場に自浄作用があったことの証左でもあるでしょう。市場とはたいした仕組みだなと改めて感心させられます。

2週連続でドル円相場は週明けに大きな窓を開けて下落したのですがそのうちのひとつが月曜日に埋められました。IMMの為替先物におけるドルのショートポジションは先週の段階でほぼ横ばいとなりショートを積み上げる動きが一旦止まったことを示しました。そこからここまでの動きからかなりのポジションが手仕舞われたと思われますが、本日の相場を見ても完全に手仕舞いが済んだとはいえません。

市場参加者もその辺りを警戒しているようです。しかし、本日朝方から観測され結局上抜けてしまった112.30付近の売りオーダー、本邦実需に混じって中長期タームで取引するファンドの売り上がりオーダーもかなりあったと聞きました。

ドルのショートカバーに出ているのは比較的短期で動かすファンドが主体との観測もあり、相場が完全にブルに転じたと判断するのはやや早計かもしれません。G7声明を受けて大きく開けてしまった窓埋めを一気に完了させるには少々力不足のようです。

再び109−114のレンジ相場にはまる可能性が高く、この水準からのポジションメイクはロングもショートもそう簡単には儲けられないでしょう。既にあるポジションをどう手仕舞うかを考える時間でしょう。

それでも相場に入るならばヒットアンドアウェーで小刻みに。長く引っ張ってよい結果がでる相場ではないでしょう。



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