TOP
コラムTOP
最新コラム
バックナンバー
2006年05月22日
■「不均衡是正主題の相場は一旦終わりを告げるか」

先週金曜日、ドル円は欧州時間に110を割り込みNYでは一時109.31までドル売りが進みました。月曜日の東京でもドル円は上値の重い展開。ごとう日15日ということで仲値にかけてやや値をもどしたものの実需筋の売りに再度下値をトライし、119.34まで売り込まれた。
しかし、NYの安値を下抜けることなくその後はこう着状態となった。

昨年の安値、高値の半値戻し水準を先週下抜け、61.8%戻し水準である109.20レベルをいつ下抜けるかという雰囲気であったが、LDNが参加し始めるあたりからやや空気が変わった。金相場が急落。これを受けたドルの買戻しが各通貨で始まりドル円も110円台を回復110円半ば水準まで上昇する場面があった。

予兆は既にアジア時間で見られました。これまで堅調に買い進まれていたアジア諸国の通貨が軒並み売り込まれていたのです。エマージング諸国への投資と商品相場で手仕舞いの動きが出始めたかもしれません。勿論これだけを根拠にここまで続いたドル売りのセンチメントが変わったとするのは早計ですが、更なるドル売りをと期待した向きは堪らずショートカバーを余儀なくさせられたでしょう。

ドル円に関して言うならば、依然として過去2週間連続で窓を開けてしまった水準を埋め戻すには至っておらずこれを確認するまではドル買いのサインは灯らないでしょう。
しかし、目先下値の目処は確認できたかもしれません。ここからは「とにかく売れ」というわけには行かなくなったような気がします。下げ足が鈍ると金利差からドルショートのキャリーコストはボディーブローのように効いてきます。

円高が進行すればするだけ、日米の金利差縮小のシナリオは遠のきます。円高が進行するにつれて日銀は金利を上げたくても上げられない状態へと追い詰められてしまうからです。
してみればやはりこのドル売り相場、加速度的に進行するには無理がありそうです。



Copyright (C) 2004 fx-newsletter All Rights Reserved