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2006年04月24日
■「まったりしてます」

先週金曜から海外はイースターに絡むロングウィークエンドに入っており市場は超閑散の中で越週しました。
ドル円118円半ばで推移した状況を上値が重かったとすべきか、高止まりと見るかはそれぞれでしょうが、今日の時点でメジャー通貨の新たなコメントを出すのはさすがに辛いです。

AUD、NZD、CADといった資源国通貨が堅調、特にNZDは先週発表された指標が予想を上回り大反発を演じてくれました。これでNZDは底を打ったと見ますかといわれれば個人的には「?」なんですが、反転の事実はしっかり捉えておきたいところです。

しかし、AUD、NZD、CADのコメントはここまでにして、今日は久しぶりに中国について。
13日に中国人民銀行は金融機関による対外投資を促進することを盛り込んだ公告を発表しました。土曜日の日経新聞にも掲載されていましたのでご存知の方も多いと思います。
この公告を受けて、13日の中国A株市場は大幅下落。USD/CNY相場も上昇しました。

これまで中国は海外からの資金流入に関してはQFII制度をもって開放路線に舵を取りましたが、依然として完全自由化には至っていません。また、外貨の流出による準備金不足を懸念して、国内からの海外への投資にはさらに厳しい規制を設けていました。
当局がどのような審査基準で国内の機関投資家に対して認可を与えるのかは不明ではありますが、規制緩和への第一歩であることには間違いありません。

この四月に発表された中国の外貨準備高が日本を抜き世界一となり、最早外貨不足への不安は言い訳にもなりません。貯まった黒字で国家が米債買い続ければ為替操作国家認定の不安が付きまといます。外貨準備高世界一が担保となり晴れて国内資金の海外流出をある程度容認できるようになり、為替操作国家のそしりも免れることになります。

以前本欄でも書きました、「中国は世界で初めて自国通貨の緩やかな完全自由化を目指す」ために一つ一つ国内の環境を整備しているといえます。
先の人民元切り上げ後、元の変動幅は抑えられていましたが、ここにきて連日USD/CNYは最安値を更新し続けていました。一部に根強い再度の切り上げ要求をやんわりとかわすには結構効果的です。さらに米金利のこれまでの上昇から世界の通貨に対してドルが相対的に価値をあげていることから、人民元は対ドル相場でみえる以上に切り上がっているのもまた事実です。

おそらく一部で期待されているような切り上げは今回もないのではと思っています。



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