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2006年03月27日
■「流れは速いがまだレンジ」

先週のドル円相場はコレまでのレンジのほぼ上限から下限までストンと落としてきました。
要因は様々ありながらもやはり次のステージへの決め手が見つからないなか各指標の数字と憶測に右往左往するしかなかったのではないでしょうか。

市場の次なるターゲットはFOMCということになるでしょう。この会合で利上げが打ち止めとなるのかさらなる引き締めスタンスを残すのか。特にユーロが利上げモードに入り、高金利選好によってNZDが利下げ方向に動き出そうとしている中では今回の引き上げ以上にこの先のスタンスは重要となってくるでしょう。

翻って円はと申しますと、高金利嗜好のなか大量に流出していたNZDへの投資資金からの引き上げ観測がささやかれ、4月に囁かれる人民元切り上げ観測、さらに先読みが過ぎるとはいいながらも量的緩和解除がなされたことにより次に打たれるゼロ金利解除への思惑と円買いの材料にも不確定要素が強いものの無視できない状況にあります。

しかし、NZDからの資金流出は目に見えて明らかではあるものの、すべてが円に戻ってくるとは考えにくいです。NZDへの投資分の多くはAUDやEUR、USDへの投資に振り返られたと見られています。量的緩和は解除されたものの依然として日本はゼロ金利。NZDへの資金は株への投資というよりNZD債券への投資が主流であったことを考えれば、その資金は他の外国債券へシフトされる確率のほうが高いでしょう。

人民元切り上げ観測は前回7月に市場が実証している通り一時的な円買いとなるもののこれを機に円買いのトレンドが形成されるというものではありませんでした。

ゼロ金利解除への思惑に関してもこれまで当欄でも書いてきたようにまだまだ先のシナリオであり、織り込みすぎれば必ずやその巻き戻しがやってくるでしょう。

ドル円は依然として上値にこそリスクを求める時期であると考えます。116円割れからは国内の実需の買い興味が湧いてきます。指標絡みからドルが下落する局面では丁寧に拾っていきたいと思います。

ユーロドル、ポンドドルに関しても水準によりますが、当面はショートメイクで望みたいところです。



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