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2006年03月13日
■「まだレンジ」
雛祭りの3日、日本の1月消費者物価が発表されました。市場コンセンサス+0.4%に対して+0.5%。市場コンセンサスを上回れば3月量的緩和解除の芽が大きくなるとして注目を集め、結果として予想を確かに上回り勝負あったかのように見えたが、その後はNYで116円後半まで反発。月曜の東京市場においてもドルの上昇は止まらず一時117円台を示現している。
各種記事は量的緩和解除から日本の金利上昇を織り込み日米金利差縮小を先取りした円買いとの評が多かったが、市場はどうも日米金利差縮小までは先取りしていなかったようだ。円キャリートレードの手仕舞いと思われる動きは確かにあった。長きにわたった日本の超低金利時代がひとつの節目を迎えようとしていることもまた事実である。従ってこの節目に向けての調整は必要であったろう。また国内外を問わず依然として量的緩和解除=利上げと捉える参加者も少なくなかった。しかし、やはり市場はそこまでのミスリードはしていなかったということだろう。
現時点においても今週の日銀の金融政策決定会合において量的緩和解除がなされる確率は低いと思っている。政策転換の節目はやはり市場にそれ相応のインパクトを与えることは否めない。多くの企業が決算を迎える3月にあえて冒険を犯さねばならないほど現在の日本に差し迫ったインフレリスクは存在していない。
市場もこの3ヶ月間何度となくドル円の下値をトライしたものの下げきれない。これは例え3月に量的緩和が解除されたとしても、そこから利上げに至るまでにはやはり相当の期間を必要としておりまたその時期、スピードを計りかねているが故なのだろう。
3月の国内勢は期末を控え大きな仕掛けを控えるようになる。一方12月決算が多数を占める海外勢にとって3月は第一四半期末であり今年のバジェット達成の目処を付けるためにもどうしてもそれなりの収益を確保しておきたいところである。年明けからここまでレンジを抜けきれないながらもかなりチョッピーな値動きをしてきたが、どうも海外勢の収益もあまり芳しくないようだ。となると彼ら海外勢はまとまった金額を振り回して短期間に収益を得ようと動くことも考えられる。
レンジを抜けきる材料に乏しいが、その中での変動はかなり大きくなるのではなかろうか。レンジの際での動きに惑わされずに向かえばお小遣いは稼げそうな気がします。
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