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2006年03月06日
■「量的緩和解除への期待?」

先週来、AUD、NZDを筆頭にクロス円の売りでドル円の頭が重くなり、週末に116円半ばまで下落。海外で117円台を回復したものの週明けの東京で116円割れを示現しました。

きっかけとなったAUD、NZDに関しては円以上にそれぞれの通貨国に売り要因があったもののクロス円全体を通して見えることは、円キャリートレードの手仕舞いです。

即ち、超低金利の円を調達して高金利通貨国への投資を行っていた人々がこのポジションを手仕舞い始めたのではということです。

コレには様々な根拠が市場でささやかれています。ひとつに国内勢にあっては3月の年度末を控えていること、人民元の為替レートに対するアメリカの姿勢が再び硬化し始めており4月に向けて人民元の更なる切り上げ→アジア通貨上昇の流れが出始めていること、そして、日本の量的緩和解除が3月にもなされるのではとの観測が強まったこと。

今週発表される日本の消費者物価が市場予想の+0.4%を上回るようならば3月にも解除か。との思惑が出ています。先々週のバーナンキ新FRB議長の議会証言が更なる利上げに含みを持たせたことから一旦は反発したドルでしたが、そうは言ってもこれまでと同じペースでの上昇は見込めるはずもなく、むしろ異常な低金利下にありながら景況感が改善されている日本の金利の上昇期待(むしろ上昇懸念というべきかもしれません)が先読み嗜好の市場で頭をもたげてきたということでしょう。

何度となく本欄でも書いておりますが、金融緩和即利上げではなくまた、米金利のコレまでの上昇の効果はまだまだこの先もジワジワと浸透してくることを思えば、ここを潮目と見るのはいささか時期尚早とは思いますが、ここまで膨大な円ショートを積み上げてきた市場からしてみれば早め早めにこのポジション手仕舞いに動くのもまた必然なのかもしれません。が手仕舞いが一段落すれば、絶対的な金利差を埋めるまでの時間が注目され再びドルが反発するステージが来るものと考えております。

今現在の流れに逆らう必要はないですが、ここで一気に円ロングという気にはなれない今日この頃です。


お詫び
先週、のコメントにおいて米金利の動向について「悪戯に金利を上げ続ければハイパーインフレとの戦いが待っているわけですから」という文章がありました。コレは「景気後退の恐れ」の誤りでありここに訂正をして、お詫び申し上げます。



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