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2006年02月20日
■「ちょっとしたBRICSブーム」

昨年来、BRICSなる言葉を良く耳にします。既にご存知の方も多いことと思いますが、コレは現在経済発展著しい新興国の頭文字をとった造語であります。ブラジル(B)ロシア(R)インド(I)中国(C)であります。これらの国の株価の上昇には目を見張るものがあり、国内においてもここに来てこうした新興国への投資を目的としたファンドが人気を呼び先に販売された某大手証券系投信会社の投資信託はあっという間に完売となったとか。

昨年、偶然中国を訪れた筆者も(とはいえ上海を見ただけなのですが)その潜在的成長力を感ぜずにはいられませんでした。いずれの国もおそらく今以上の成長を遂げていくことは間違いないないのではないでしょうか。またそうあってもらわねばこれまでの成長で飽和状態の先進国はその供給先を失い世界経済の発展も失速しかねないでしょう。

しかし、ひとつだけこれらBRICSへの投資に関しては注意が必要です。いずれの国の通貨もその為替市場は閉鎖的であり、自由に通貨の売買をすることが出来ないということです。
現在、どの通貨も国に監視の中安定した水準を維持しており、この前提に立つなら株、債券への投資によって得られる利益を大きく損なうことはないでしょうが、過去に先進各国が変動相場制への移行過程において味わった痛み、また近くではアジア通貨危機を思い出してください。新興国の市場というものは非常に市場規模が小さくその流動性リスクは非常に高いこともまた事実であります。

これから続々と世界の資金が流入することで株価もスルスルと上昇するでしょう。その分これらの資金の出入りによって株も為替も大きく変動するリスクを孕んでいるわけです。
投資を考えるに当たって重要なポイントである流動性リスクをとって高収益を狙うのですからある程度じっくり腰をすえてかからねば怪我をして終わってしまいます。

投資商品として魅力的であることは間違いないのですが、その辺のリスクをどの程度理解しているかは大事です。元来投資信託といった商品は長期保有することを前提としたものですから、自ずと外為証拠金取引とはスタンスも違ってきます。
もし、そうした商品にも目を向けようとしている方は頭をしっかり切り替えてから臨まれることをお勧めいたします。



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