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2006年02月06日
■「ライブドア報道に思うこと」

先週は、東京地検特捜部がライブドアへの強制捜査に乗り出したことで大騒ぎでした。
証券取引法違反の容疑(偽計取引、風説の流布)がかかっているということは既に皆さんもご存知のことと思います。
まあ、実態がどうであったのかは今後の行方を見守りたいと思いますが、それにしても各マスコミの記事の内容にはいささか違和感を覚えます。
確かに法律スレスレの行為がなされていたことは否めませんが、本当に偽計取引や風説の流布に当たるのか。一部には法制度の不備を指摘する声もあるとおり明らかな不正と現段階で判断することは非常に難しいと思います。

しかし、マスコミは(地検特捜部が動いた→必ず立件に持ち込む→不正行為があった)という三段論法的な思い込みで報道しているように思えてなりません。
最初に報じられた「マネーライフ」の買収発表を「ウソ」と報じていましたが、別段「ウソ」はついていない。マネーライフの株が既にライブドアマーケティングに買い占められていたわけではないわけです。
その後、この買占めをしていた「投資事業組合」なる組織や、株式分割という行為を不正とでも言いたいような記事が氾濫しました。いずれも合法な手段であってそれ自体が不正ではありません。株式分割などは、元来日本の証券市場が個人の資金を広く薄く集めるという趣旨からかけ離れた企業間の持ち合いという構図で成り立っていた状況を打破するために設けられた制度であり、堀江氏が以前から主張していた「沢山の個人の方に投資してもらうために」という考えに合致した制度であったわけです。

さらには急成長を遂げてきたIT企業全体にもこうした司法のメスが入るだろう的な論評も出る始末。マスコミの報道のほうがよほど風説の流布になっているのでは?と思います。
彼らも社内にコンプライアンスを持っており、かなり慎重に言葉を選んで記事にしているのだとは思いますが、「ライブドア→IT企業=悪」の結論を刷り込むことを前提にして報道しているようにしか感じられません。

東証の約定処理能力がオーバーしたために起きた取引停止も、この株式分割が悪いかのようなものが見受けられました。明らかに東証自身のシステム対応の遅れが問題なのであってライブドアにも株式分割にも責任はないわけです。

報道のあるべき姿に照らしてどうなのかを関係者の方には是非自問してもらいたい。
また個人投資家たる私たちも流されるニュースに振り回されないよう常に考える姿勢を持ち続けたいものです。



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