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2006年01月30日
■「上値は確かに重いんだけど」

お話を日本に戻します。先にも書きましたが株価が示すようにどうやら日本の景気は着実に改善しているようです。選挙でも圧勝した与党としては向こう4年間よほどのことがない限りにおいて衆議院の解散もせずにすみます。4年間の安定期間を得た政治は最も手を付けにくい部分に手を伸ばそうという習性があるようです。国民の誰もが望まない政策。増税です。

もっとも増税自体が悪なわけではないのですが、国民にとっては善悪を超えたところにこの増税という言葉は存在するようです。
元旦深夜の「朝まで生テレビ」でも大蔵官僚出身の大学教授が早く借金を返済し、自分たちの子供の世代に負担を強いるな。と主張されていました。
基本的に大蔵官僚のスタンスはここにあります。別に農民から法外な年貢を吸い取り、私服を肥やす悪代官の発想とは違うわけであります。

国の財布を預かる役人さんにしてみれば、借金漬けの台所を放置できないのはむしろ当然であり、彼らすらも借金漬けを当然と思ってしまうようでは最早日本に明日はないといえるのではないでしょうか。

と弁護しつつも、やはりこの時期の財政再建論さらにそこから導き出される増税論は時期尚早といわざるを得ません。

景気回復による税収の自然増だけではその後に押し寄せる金利上昇による金利負担をまかないきれなくなるとの主張も有るようです。が、2003年の財務省試算によると2005年度の日本の財政赤字は43兆円前後とされていましたが実際には34兆円前後で収まると見られています。

「低金利の恩恵だ」との声が聞こえてきそうです。確かにその通りですが、では向こう一年でこの低金利は解消されるでしょうか?量的緩和解除の動きは見えてもそこからゼロ金利解除までには時間があるという点はこれまでにも書いてきました。

年が代わって、グローバル投資の目はアジアをはじめここまでウェートを抑えてきた国々に向き始めました。他国買いのドル売りにつられて円も上昇していますが、既に日本への投資ウェートは高いほうであり、上述の日本の状態からしても円高の進行は限定的なのではないかと115円割れを見せ付けられながらも未だに思っております。



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