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2005年11月07日
■「豊かさの象徴か?退廃の権化か?」

週末、六本木ヒルズの居住棟に住む人達(ヒルズ族)にスポットを当てた報道をご覧になった方もいたのではないでしょうか。
まるで、アメリカの映画に出てきそうな広いリビングに高層マンションならではの夜景。
小津映画や、寅さんに代表されるような昔の住宅風景とは隔世の感がありますが、紛れも無くその映像は東京のものなのです。

あの映像の前ではどんな批判すら持てないものの僻みととられて仕方が無い程の迫力がありました。さしずめ今様「目白の田中御殿」、「音羽の鳩山御殿」といった感じなのでしょうか。

全て賃貸物件というその家賃は月額500万円超などという物件もあるとか。
誰ですか?「俺の年収より高いじゃあねえか!」なんて叫んでいる人は。

ヒルズ族にとって、六本木ヒルズに住むことはステータスであると同時に新しいビジネスを掴むためのツールとなっているようです。
住人の多くがIT長者といわれる経営者であり、共有スペースのサロンで、ご近所さん付き合いをしていればそれがビジネスチャンスへと繋がっていくという。
ゲストの堺屋さんが「離れていても繋がれるインターネットを商売にしていながら、トップ達はまるでベルサイユ時代のサロンのような活動をしているのが興味深い」と話されていました。

しかし、一体、あの番組を制作したTV局は何を伝えたかったのでしょうか。
昔、アメリカ映画の圧倒的な豊かさを見せ付けられアメリカのような豊かな暮らしを夢見て馬車馬のように働いた高度経済成長期。あれと同じ効果を狙ったのでしょうか?
違うような気がするのですよね。
前述のように「どんな批判も僻みととられてしまうほどの威圧感」を見せ付けることで、逆にヒルズ族達への悪感情を植えつけることが狙いだったのかも知れません。

なんせヒルズ族はいま、TV局を震撼させているIT長者の巣窟ですからね。

でもせめて子供達には、(サラリーマンになっては決して実現できることの無い)夢としてプロ野球選手のように彼らIT長者が映っていることを祈りたいものです。



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