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2005年10月10日
■「ドル堅調もドル円は意外と小動き」
FOMCは予想通り25BPの利上げを実施しました。市場が見ていたようにハリケーンの被害による景気の冷え込みよりも、原油価格の高騰などのインフレ懸念を重視した決定でした。
国内とりわけハリケーンの直撃を受けた南部の人々のショックを思えば全会一致とならず反対票を投じた理事がいた事もうなずけますが、それにも関わらず声明は今後の利上げに関しても積極的な文面となっていたことはさすがにドルに対する強気姿勢を後押ししました。
未だに政権の行方が混沌としているドイツを抱えたユーロのイメージが更にドルの強さを際立たせたとも言えましょう。さらに中国が元に対するドル以外の通貨の一日の変動幅を拡大すると発表した事で、ユーロや円はさらに弱含みとなっています。
G7声明はこの措置を歓迎としています。中国元の相対的な価値がさらに上昇する環境となったわけですからそう書かざるをえませんが、肝心のドルとの変動幅をいじらなかったので必然的にドルが浮かび上がる格好となってしまっているのは微妙なところでしょう。
G7において福井日銀総裁が日本経済の先行きに大変強気な発言をされていた事に注目している方が多いようです。福井総裁も満を持しての事だと思います。これを裏付けるように日本の株式市場は活況を呈しており、海外のファンド筋も日本株への投資比率を上げる方向にあるようです。事実外国人の買い越しが相場を牽引しているようです。
コレを背景に先行きの円高見通しをする市場関係者も多いのですが、既述の通りむしろやや円安気味の推移となっております。
2つほど要因があるようです。一つには日経にも書かれたように国内の個人資金を中心に海外の高金利市場への投資活動が下値をシッカリと支えている点です。依然低金利の日本ではドル金利の上昇からやや妙味の薄れがちな高金利市場は依然として興味深い存在であり続けています。また国内株の上昇は機関投資家さんの含み資産に影響を与え一時冷え込んだ海外投資の呼び水ともなるでしょう。
もう一つは、一般的に海外投資家が日本株に流れるなら為替市場において円買いの需要が高まるわけですが、一部に円の借り入れを起こして株購入に当てている動きがあるそうで、これが思いの外円買いの流れにならない要因となっているそうです。
需給の関係から当面ドル円は底堅い動きを見せそうですが、さてレンジを一段上にシフトする程の流れとなるかは、まだ予断を許さないと個人的には思っております。
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