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2005年09月12日
■「焦点を絞り込む事に拘らないで」

大型のハリケーンが北米の製油施設を直撃か。との観測からまたぞろ原油相場が高騰しています。調整的に下落するもののそれを踏み台にするように上昇を続ける原油相場はジワジワと各国の景気に影響を与える事でしょう。
ガソリン価格は言うに及ばず、様々な製品の原材料コストに跳ね返ってきます。日本の景気が踊り場を脱してきている中この勢いを弱めることになりそうです。

アメリカも原油価格と住宅価格の上昇はインフレの火種として燻り続けることでしょう。

原油相場の変動は注視していかねばならない重要なファクターではありますが、これが為替相場を一方向に一気に向かわせる程のインパクトには残念ながらなりそうもありません。
その時々の変動要因とはなるでしょうが、別のファクターが反作用として働きそうです。

またぞろ選挙に絡めてしまいますが、重要なファクターは一つではないからです。
郵政民営化だけが改革ではないし、年金、子育てだけが改革でもない。争点を一つに絞り込む事は物事を単純明快にはしてくれるでしょうが、逆にそれ以外の部分を全く見えなくしてしまう危険も孕みます。例えるなら暗転している舞台を照らすピンスポットライトのように。

それでも「相手が赤ならこちらは青だ」的な発想になってしまうのは選挙の宿命なのでしょうか。
メディアがさらりと書くように自民も民主も基本的に「ちいさな政府」に向けての改革の必要性で一致しています。にも関わらず協力して改革を進めようとはなかなかしません。自分の政権で改革を実現したいから、自分達の手柄にしたいと思っているからじゃあないでしょうかね?

「おいおい、それは国の為になるのか」と突っ込みたくなります。数年前の大河ドラマ「時宗」を思い出してしまいます。大陸から元が攻めてくる。日本という国が滅びるかも知れないその時でも、京都ではこの機に乗じて鎌倉幕府転覆を画策し、鎌倉ではポスト得宗家を狙う争いが絶えない。
自分達が狙う権力の座は日本という国があってはじめて保障されるものであるのに、それは例え元が攻めて来ても在り続けるもとのいう実に御目出度い前提に立っている。

今を生きる私からすれば実に情けない、茶番劇に映りました。しかし、ふと今の政治を見ていると同じようなロジックで権力争いが為されているように思えたりするのです。

こんな事で良いんでしょうかね?相場の世界に同じロジック持ち込んだら必ずケガしちゃうんですけどね。



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