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2005年08月29日
■「政権闘争の選挙じゃあないんと思うんですが・・・・」

先週日本株が大きく買われ、ドル円も109円台と円買いが進みました。
ご存知の通り株の上昇もドル円の下落も外国人による日本買いが要因となっています。

法案否決の報がもたらされた瞬間こそ円売りに動きましたが、改革の流れが止まる事は無いとの判断といえるでしょう。
改革への本気度が試される選挙となっていますので、結果がどうあれこの流れを公然と止める勢力の勝利だけは逆立ちしても無いでしょう。

しかし、選挙後を考えると個人的にはちょっと不安が増しています。
この選挙までは「改革やるぞー!」の姿勢だけでも評価されますが、その後はこの中身が真剣に問われてくるからです。

民主党は、ここまで自民党のお家騒動を高みの見物と決め込んでいましたが、それが自分の首を絞めていると気づいてか、マニフェストに郵政改革を盛り込み、「民主党だって党内で意見が割れたままじゃあないの?」といった巷の噂を否定しようと躍起です。
自民党は、選挙で勝利の暁には即座に郵政法案を通すと言っています。

確かに改革への本気度を試される選挙ではあるのですが、「おいおいちょっと待て、チキンレースやってるわけじゃあないのだから」とむしろこれらの報道に暗い気分になってしまいました。

まず、民主党案。「現在1000万円の郵貯の預入限度額を直ちに700万円に引き下げ、段階的に500万円に引き下げる」
郵貯の資金が国の放漫経営を支えており、この資金の流れをせき止めるという郵政改革の重要なポイントに一石を投じているのは確かです。
しかし、直ちに限度額を引き下げるというのはインパクト強すぎやしませんかね?新聞報道によりますと約100兆円のお金が流出する計算になるそうです。
選挙後いきなり100兆円のお金が投資先を求めて市場を駆け巡るわけです。相場は大混乱ですよ・・・・・・。
申し訳ないですが、選挙パフォーマンスの為に市場の混乱を無視したようにしか思えないのですが。

さて、自民党。党内の旗色を明確化するためにあの骨抜き法案を出してきたのであれば、選挙で勝ったらもっとシッカリした法案作り直せるのではないでしょうかね?それをせずに進むという事は、ちょっと本気度を疑われちゃいませんかね?

中身の陳腐化が意識されるようになれば、またぞろ日本売りに風向きが変わってしまうのではと心配でなりません。もう秋以降はやる気だけじゃあ市場は評価してくれないのではないでしょうか?



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