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2005年06月20日
■「ちょっと褒めすぎかな?」

ヨーロッパの為政者達というのはいつの時代でもロマンチストであり、かつ行動力があるように思えます。
アレキサンダー、ナポレオン、ヒトラー、個人ではないですがスペイン、イギリスの台頭した大航海時代。
理想を掲げてそれに向かってまっしぐらに突き進む。力のあった当時からの遺伝子は「終わった」とまで言われてしまう今日においても脈々と受け継がれていたのですから。

何の話かって?欧州統合のことですよ。私たちがSF小説やアニメの世界でしかお目にかかれない地球連邦という国家単位に限りなく近い姿をユーラシア大陸の西側で実現させようとしている。
大航海時代以降、この世の栄華を極めたかのようなヨーロッパが2つの大戦の主戦場となり疲弊し国境の数だけ争いがあることに気付き、この争いの元をとリ払い、無駄な浪費をすることなく栄えていこうと動き出したのです。
まあ実際にはもっとドロドロとした思惑と別の意味での危機感もあっての事ではあるのですが、大きな理想としては間違いないと思います。

もともと民衆の豊かな暮らしのための理想なんですが、どうも理想だけが先走ってしまい、現実が追いついてこない。ギャップが酷くなったので肝心の民衆がブレーキをかけちゃった。
まあEU憲法批准絡みの出来事はそんなところなのではないでしょうか。

急ぎすぎた欧州統合へのシナリオに沿って高まった統一通貨ユーロへの期待ですから、ブレーキがかかればその分は剥げ落ちても仕方ないでしょう。
しかし、理想そのものが間違っているわけではありません。ジェットコースターのように加速しすぎた速度を緩めただけであり、むしろこのままワープしちゃうまで加速されるよりは健全だったのではないでしょうか。

高い理想とそれを実現させる為の行動力を持った為政者とそれが先走ればブレーキを掛けられる民衆。 絶妙な組み合わせです。
ふと考えると市場に参加して勝つためにはこの両方を兼ね備える必要があると気付きます。
理想も行動力も無ければ収益を稼ぐポジションメークも出来ません。ブレーキが掛けられなければ悪戯に損失を拡大するだけですからね。

そういえば反面教師のような国が結構身近にあったりして(笑



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