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2005年05月23日
■「我慢、我慢・・・・」
後講釈的な人民元切り上げへの憶測から始まったドル円の下落は、金曜に発表された米雇用統計の非常に強い数字と、結局中国当局から何のアクションも無かったことで一旦沈静化したようです。
既に各方面から解説も出ているように、人民元の切り上げ観測は確かにきっかけとなったことは間違いないでしょうが、やはりやや積みあがりすぎた円ショートの買い戻しという姿が比較的正しかったような気がします。
しかし、前回の雇用統計後の当コラムでも触れたのですが、やはり月初発表ってのは無理があったんじゃあないでしょうかね。前月の発表自体全く無意味になっちゃいましたよね。
しかし、これだけ強い数字が出たにも関わらず意外にも相場は理性的な動きに止まっています。対欧州通貨では確かにドル堅調でそれなりの値動きがあったものの、ユーロドルですら1.27台を前にしてやや失速。フロー的にもここから下には相当のBIDが観測されており地合は弱いとされながらも下抜けには今一歩です。
ドル円も前述の通り、軟調地合は脱しましたがさりとて反転するまでには至らず。先週のレンジ幅がそれを証明しているでしょう。
先週の雇用統計を後押しするためにもう一つ大きなきっかけが欲しいところなのですが、11に発表される貿易収支は過去最大の赤字額を更新されそうですし、12日の小売売り上げ高は逆に堅調に推移しそうなためどうしてもレンジを抜ける動きは想定しにくいです。
月末にフランスでなされるEU憲法批准絡みの思惑から軟調なユーロが底割れをしてくると面白い展開も見えそうなんですがね。あまり底割れを期待しすぎず丁寧にユーロドルの戻り売りを繰り返した方が結果的には良いかもしれません。
まだまだ暫くは、我慢の相場が続きそうです。
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