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2005年05月02日
■「不安定な膠着状態」

弱い米経済指標、決算発表で次々と予想を下回る結果とこの一週間で、米景気の先行き不透明感がクローズアップされ、ドル円はすっかり107円―109円レンジに入り込んでしまいました。

以前ここでも触れましたが、安いドルを調達して、外に投資していた流れのアンワインドの影がそこここで出始めているように思います。さらに彼らにとっては「泣きっ面に蜂」状態かも知れませんが米株の3日連続の大幅下落です。海外投資分は利が乗っているうちに引き上げて損失の穴埋め、借金の返済にと動かねばならない状況になっても来ているのではないでしょうか。

米株の下落は、アメリカに投資している海外の投資家にとっては資金引き上げのドル売り要因でもあります。先週末の107円半ば付近までのドル下落はその流れでしたが、107円前半からは、ドル買いの需要が厚く、割り込めません。

本邦投資家は、ペイオフ解禁の新年度を迎え海外への投資需要が出てきます。加えて前述の米国の投資家のアンワインドのドル買い需要も口を開けて待っているといった状況でしょうか。

足元では出る指標が弱くどうしてもドル買いに踏み切れませんが、さりとて下がればアンワインドのドル買い需要、先々のドル金利先高感が頭をもたげてきてしまう。暫くは、レンジと決め込んで動くしかないかもしれません。

今年は統計的には相場の振幅が大きい年のはずなんですがね。確かに両サイドに大きな爆弾を抱えているような状況なので、トリガーを引きさえすれば加速するとは思うのですがまだ先の話になりそうです。

しかし、週替わりでドルの材料がころころ変わり結果一定の水準で推移しているのだからたいしたものです。ひとつ間違えれば倍ではすまない振幅を繰り返しかねないほどの状況だと思うんですけどね。



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