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2005年04月25日
■「オヤジに捧ぐ」
筆者は高校時代から男声合唱というジャンルに足を踏み入れてしまった。小さい頃から確かに歌は好きだったし、自分で言うのもなんだが上手かった。
しかし、まさか高校で合唱部に入るなどとは夢にも思っていなかった。しかも男声合唱である。(男子校だったから当たり前なのだが)混声合唱ではない。男だらけのコーラス。知らない人ならおよそイメージは良かろうはずが無い。薬師丸ひろ子ではないが「ひょっとして、クルージング?」なんて勘違いする人もいるかもしれない。
入部の動機もいたって不純であった。「女子高のコーラス部と交流会!!」しかし、気が付けば筆者の高校生活はこの男声合唱にどっぷり浸かっていた。
様々なファクターが重なった結果ではあるが、その中に確実にある人との出会いがあったことは間違いない。その人を我々は親しみを込めて「オヤジ」と呼んでいた。筆者の高校のOBでもあり当時は我々の合唱部の常任指揮者であった方である。
それまで小学校、高校と合唱はやってはいたが特段の思いがあったわけではなく、指揮者という存在もただ手を振っているだけの存在としか思えなかった。月イチ程度でいらっしゃり、我々の指導をされていたのだがとにかく熱い。彼の振る指揮棒に吸い込まれていく。自然と詩への感情が身体から湧き上がる。
生意気盛りのガキが「凄ゲェ」と思ってしまったのだ。残念ながら筆者はそんな「オヤジ」にとって良い教え子ではなかった。私のいた3年間は後にも先にもここまで部員が集まらないか?というどん底の時代でもあったのだ。
そんな「オヤジ」が先週の土曜日に急逝された。翌日に控えた演奏会のリハーサルの途中に倒れられたそうである。
絶句した。様々な情景が頭を巡った。オヤジさんの音楽への想いや、歌に込めたメッセージは自分の考えとは違っていたかも知れない。しかし、今出来ることは「オヤジイズム」を自分なりに受け継いで行くことなのだろう。(音楽に限定した話ではないのですが)
オヤジさんありがとうございました。安らかにお眠りください。
合掌
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