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2005年03月07日
■「タイトルってどうやって付くのだろう」

よく「金利相場」だとか「原油相場」といったタイトルと共に相場が語られることがある。実際、ディーラーが情報交換で他行のディーラーと話をする中でも良く出てくるフレーズである。
タイトルが付くとその時々の相場を語る上で便利である。このフレーズを使えばいちいち状況説明を必要とせずに話が進められるからである。

では、このタイトルは何らかの法則に従って命名されているのかというとこれは甚だ疑問である。結論だけ先に言ってしまえば市場参加者の多数が、それを材料に動いた時にそのタイトルが付く、といえる。更に報道機関はこのタイトル付けがことのほか大好きである。何故か。便利だからである。だからタイトル付けがまた流行る。

昨年来、アメリカが利上げを繰り返している。それまで日本ほどでは無いにしろドルは雀の涙ほどの金利しか付かず、所謂高金利通貨への投資志向が強かった。基軸通貨としてのドルはやはり投資家にとってはその投資比率を高くしておかねばならない通貨である。
しかし、「カントリーリスクや流動性リスクと天秤にかけても高金利通貨への投資比率を上げて少しでも利回りを稼ぎたい」そんな志向が高金利通貨への投資意欲を増幅させていた。

現在、度重なるアメリカの利上げで金利だけに注目すればそれまで高金利通貨に投資していた分をドルに回帰させる動きが出てもおかしくない。(まあそのうち出るのだが)
事実、もぐら叩きのもぐらのようにチョロチョロとアメリカの金利動向に注目した動きで相場が語られることはここまでにもあった。しかし正にチョロチョロなのである。

くどい様だが、アメリカの金利は上昇し続けている。だが、現在のドル相場が上昇トレンドを描いているとは言えない。だから、チョロチョロとしか出てこられないのだが、してみると「金利相場」というタイトルひとつとってもタイトル付けに法則を見出すことがいかに困難なことかがわる。いや、もともと法則なんてないのではなかろうか。

全く個人的な見解ではあるが、タイトルは流行によって決まると思っている。流行と来ればファッションなどはその代名詞的存在だが、相場のタイトル付けに比べればずっと保守的なような気がする。相場の流行はあまりにもスパンが短い。巷で話題になる頃にはその流行は終焉に近づいているといってもいいほどである。

タイトル相場は話をするには便利だが、あまり拘って投資判断材料にはしないほうがいいように思う。



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