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2004年12月13日
■ドル全面安の現状に注意(2)

自分で公言するような事ではないのですが、私はかなり天邪鬼だなと思うことが私生活の中でも良くあります。最近の為替相場を見ていてもその傾向が強く出始めてきました。
そんな天邪鬼のタワゴトにお付き合いください。

先週、遂にドル円は今年の最安値を更新してしまいました。ニュースはアメリカの双子の赤字を嫌気した資金流出と、それを解消すべくアメリカ当局がドル安を容認しているからと報道しております。金曜のきっかけはグリーンスパン議長の発言でした。確かに彼の発言をきっかけに急落しています。それ自体になんの間違いもありません。

しかしグリーンスパン議長の発言内容はドル安を容認する姿勢を示した訳でも、アメリカの双子の赤字が既にお手上げ状態であると言っていた訳でもありません。実に客観的に現状を解説していただけに過ぎません。

ドルが基軸通貨である以上アメリカは常に「強いドル」を志向することに変化はありません。「一時的にドルへの投資妙味が薄れたことによって投資資金が他の通貨にシフトする事は当然であるが、投資妙味が出てくる水準まで下がれば再びアメリカに資金は流れてくる」考えてみればグリーンスパン議長の発言はアメリカの底力への自信の裏返しであったようにも思います。

ま、しかしセンチメントは何を言われようがドル安ですから、流れには逆らわずにいましょう。ここからは下げれば下げるほどオプション絡みの売り玉が膨れ上がることでしょうし、そのあたりの掃除が終わらないとなかなか反発してこないということだけは間違いないと思われます。

従ってニュースソースの見出しは勢いドル売り材料の傾いたものになりますし、正しいのです。でも双子の赤字の改善が見えてこない限りドルは売られ続けるという視点からだけでこの相場を見ると、ドルはどこまでも下落し続けるという誤った結論に到達しやすいと思われます。
既述のとおりアメリカはそのような状況を望んでいるわけでは決して無いということだけは頭の片隅に留めておきたいと思います。


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