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2004年11月29日 
■ドル全面安の現状に注意

アメリカの大統領選挙がブッシュの再選という結果をもって終了しました。4年前同様、いやそれ以上の混戦かとメディアをヤキモキとさせていましたが、ことのほかスッキリと決着が着きました。

シナリオ的には最もドルにとってフェーバーな結果となりました。ケリーが勝っても議会は共和党が多数を占めることは既に確実視されており、かえって政局の混乱が嫌気される。4年前のように結果がズレ込めばこれも政局混乱につながりドル売りの格好の材料となったでしょう。

しかし、選挙後もドルは弱含み。市場は新たにアメリカの財政赤字に目を向けていると各種メディアが伝えています。このこと自体に間違いは無いと思います。

外国為替相場は国の通貨と通貨の交換ですので、当該国の国力というものはその交換比率即ち相場を決めるに当たって非常に重要なファクターであります。国の財政状況を企業のバランスシートに置き換えるなら膨大な赤字はその企業への投資を手控えさせるに充分なデータでしょう。

ただし、企業と国家のバランスシートは同一視できません。詳細は省きますが要はその赤字をファイナンスできる限りにおいてデフォルト(企業なら倒産ということになりましょうか)はないと言うことです。企業ならココまで赤字を増やせばそもそもファイナンスが出来なくなります。

確かに現在のアメリカの金利と今後の景気の不透明感はアメリカへの資金流入を阻害するに充分であり、赤字のファイナンス自体を問題視するところまで話を広げられなくもないわけですが、現状においてソコまでの懸念を言うならそれは杞憂でしょう。

ドルは依然として基軸通貨であり、アメリカにかわる巨大な消費の受け皿が世界を見渡しても未だに存在しないから。

確かにセンチメントはドル弱含みですから、ここでドルを買い下がれとは決して申しませんし、おすすめできませんが、財政赤字を理由に売り続けていると急激なショートカバーで足元をすくわれますからそれだけはご注意ください。(円高論者の自分への戒めを込めて)


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