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2004年11月15日 
■ディーリングルームのお話(3)

市場というところはある意味残酷なところであります。参加者の能力を一切考慮することなく動きます。

昔、近所の子供達で鬼ごっこをしたとき、小さい子はオマメと称して鬼に捕まらないようなルールを作って保護してあげて皆で楽しく遊べる工夫をしたものです。

市場にはそうした保護策は一切存在しません。一度参加すればあなたもまたプロと同じ扱いを受けています。

「銀行のディーラーや、機関投資家はプロだから」とか「私たちはプロじゃあないから」といった発想を心のどこかに持っているようなら、すぐさま捨ててください。甘えの心理は大怪我を誘発することはあっても、助けてくれる事は決してありません。

先週、「皆さんはご自分のポジションとロスカットリミットをしっかりと把握できているでしょうか?」という問いかけをして終わりましたが、本当のところどうでしたか?

各社のインターネットを使ったディーリングシステムはどこもリアルタイムでポジションに関する情報を提供してくれるようになっているので、「必要な場所を見さえすればすぐに判るようになっているよ」と思われた方が多いと思います。

ところが、不思議なことに各社にかかって来る問い合わせの電話には相当の割合で「どこまで行くと強制手仕舞いされてしまうのか?」「その水準を教えて」といった内容が含まれているのもまた事実なのです。

敢えてそういう質問をされる方に言いたい。「それが判らないような状態で市場に参加していることは自殺行為です」と。市場はどの参加者にも同質のリスク管理能力を求めているのですから。

「じゃあ、参加しない」とサジを投げられるのもまた個々人の自由であります。
どうしても甘えの気持ちが捨てられないなら、「参加しない」という判断も一つの勇気ある決断といえるでしょう。


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