TOP
コラムTOP
最新コラム
バックナンバー
2004年11月1日 
■ディーリングルームのお話(1)

さて、そんなディーリングルームのデスクの様子を紹介しながら話を進めます。

昔は、通称ブラックボックスと言われた7インチサイズのブラウン管モニターが3台並び、情報ベンダーから配信されるニュースをみたり、ロイター(会社の名前そのものなのですが)と言われていた専用回線のカンバセーションシステムで他の銀行を呼びまくってプライスの叩きあいを映し出したりしていました。

キーボードの1.5倍程もあるタッチパネル式の電話(受話器が2つ付いているんです)が机に埋め込まれ、これまた別回線でブローカーさんとつながっているスピーカーが数台と専用マイクスタンドが置かれていました。

およそ通常のオフィスとは様相の異なるレイアウトは、初めての方なら今でも近未来を想像してしまうようなものでした。

当時は市場参加銀行の数も多く、ダイレクトディールといって銀行を直接呼んでクォートされたプライスを叩きあうことが盛んでした。
ロイターのカンバセーションシステムでは同時に4つの銀行を呼べます。各通貨担当ディーラーにはアシスタントが3名くらい付いていますからそれだけで12行を呼び出せます。
更に先ほど受話器が2つある電話の話をしましたが・・・・・そうなのです、この電話回線を使って更に2行ずつ呼び出せるのです。

かなり大きなロットを捌かねばならないとき以外はこれをフルに使うことはありませんが、アシスタントは最高で同時に6行の銀行と会話&ディールしなければなりませんでした。

「聖徳太子じゃあないのだから」って笑ってしまう方も多いのではないでしょうか。
実際自分がアシスタントになりたてだった時は「絶対無理だ!」って思ったものです。
しかし人間というのは慣れの動物なのですね。気が付いたら何の不自由も無く使いこなしている自分が居ました。

あ、断っておきますが今やってみろといわれてももう無理です。


Copyright (C) 2004 fx-newsletter All Rights Reserved